ブロードコム(Broadcom)の稼ぎ方と売上内訳|AI半導体が売上の56%・ソフトウェアは利益率80%【2026年】
売上100円の使いみち
このシリーズ(稼ぎ方で読む米国株)は、大きな会社がどこで売上を上げ、どこにお金を使い、いくら残しているかを、決算の数字だけで説明します。第8回はブロードコムです。
| 項目 | 売上100円あたり | 金額(直近4四半期) |
|---|---|---|
| 売上 | 100円 | 891億ドル |
| 売上原価(製造委託・買収した技術の償却など) | 31円 | 278億ドル |
| 研究開発費 | 13円 | 118億ドル |
| 販売費・一般管理費など | 7.4円 | 66億ドル |
| 営業利益(本業のもうけ) | 48円 | 428億ドル |
| 税金・その他 | 5.1円 | 45億ドル |
| 純利益(最後に残るお金) | 43円 | 383億ドル |
ブロードコムもエヌビディアと同じく工場をほとんど持たず、直近1年の設備投資は13億ドル(売上100円あたり1.4円)です。
売上100円の内訳と5年の推移は、kabu が SEC EDGAR の決算データから計算した値(2026年9月26日時点)。
事業別:半導体70%・ソフトウェア30%
| 事業(2026年5〜7月期) | 売上 | 前年同期比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 半導体(AI 向けカスタムチップ・ネットワーク・無線など) | 208億ドル | +127% | 128億ドル | 61.3% |
| インフラ・ソフトウェア(VMware・メインフレーム向けなど) | 88億ドル | +29% | 73億ドル | 83.7% |
| 事業に割り振らない費用(買収の償却・株式報酬など) | — | — | −41億ドル | — |
| 合計 | 296億ドル | +86% | 160億ドル | 53.9% |
このうち AI 半導体の売上は167億ドル(前年同期比+221%)で、全体の56%です。大手 IT 企業が自社向けに設計する AI チップ(カスタム ASIC)と、AI データセンターのネットワーク機器向けのチップが中心です(カスタムAIチップとブロードコム)。
ソフトウェアは、2023年11月に買収した VMware などで、営業利益率は84%と非常に高い事業です。
5年の推移:買収の年に一度下がった利益率
| 年度(決算期) | 売上 | 営業利益率 | 最後に残る(100円あたり) | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2022年10月期 | 332億ドル | 42.8% | 35円 | 163億ドル |
| 2023年10月期 | 358億ドル | 45.2% | 39円 | 176億ドル |
| 2024年11月期 | 516億ドル | 26.1% | 11円 | 194億ドル |
| 2025年11月期 | 639億ドル | 39.9% | 36円 | 269億ドル |
| 直近4四半期(〜2026年7月) | 891億ドル | 48.0% | 43円 | 394億ドル |
2024年度は VMware の買収で売上が増えた一方、買収した技術や顧客関係の償却費などの費用と税金の影響で、残る利益が11円まで下がりました。償却費は現金が出ていく費用ではないため、FCF は増え続けています。会社が重視する非GAAP の営業利益は、こうした費用を除いたものです(2026年5〜7月期は201億ドル、GAAPと非GAAPの違い)。
売上100円の内訳と5年の推移は、kabu が SEC EDGAR の決算データから計算した値(2026年9月26日時点)。FCF は営業CF − 設備投資。
借金と配当
VMware の買収資金などで、借金は2026年7月末時点で594億ドルあります(現金は240億ドル)。一方で、FCF は直近の四半期だけで137億ドル(売上の46%)あり、配当として四半期ごとに約31億ドルを支払っています。
会社の見通しでは、2026年8〜10月期の売上は約348億ドル(+93%)、そのうち AI 半導体は約217億ドル(+236%)です。
kabu のデータで見るいまの値札
2026年7月末時点で、PER は約49倍、PSR は約21倍です。直近2年の乖離度は +27pt で、株価の伸び(年率+65%)が売上の伸び(年率+38%)を上回る「株価先行」の状態です(株格 GPEL)。
次の決算はブロードコムの決算プレビュー、売上100円の図は銘柄ページ、比較はNVIDIA vs Broadcom・Broadcom vs Marvellへ。