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ANOMALY LAB · 実データ検証

米国株のアノマリー検証

セルインメイ(5月に売れ)」「9月は鬼門」「大統領選の翌年は強い」——相場には昔から語り継がれるアノマリー(経験則)があります。このページでは、それらを語り継ぐのではなく S&P500 の過去40年・月次478本の実データで毎週再計算して、本当かどうかを数字で確かめます。結論を先に言うと:傾向は実在するが、売買の根拠にできるほど強くはない。読み物としてどうぞ。

対象 S&P500 1986年〜2026年(暦年39年分・月次478本) · 当サイト算出 · 毎週自動更新 · 投資助言ではありません

📅 月別成績表 — 何月が強くて、何月が弱いか

各月の平均リターン(棒)勝率(線)。最強は11月(平均+1.8%・勝率73%)、最弱は9月(平均-0.8%)でした。※勝率は月がプラスで終わった割合。

S&P500 1986–2026 月次リターンの平均と勝率出典: 当サイト算出(派生統計)
平均勝率直近20年平均最高最悪
1月+1.0%63%+0.2%+13.2%-8.6%
2月+0.2%57%-0.1%+7.0%-11.0%
3月+0.8%63%+0.9%+9.7%-12.5%
4月+1.7%73%+2.3%+12.7%-8.8%
5月+1.3%78%+0.9%+9.2%-8.2%
6月+0.3%60%+0.1%+6.9%-8.6%
7月+1.7%64%+2.5%+9.1%-7.9%
8月-0.4%56%+0.1%+7.0%-14.6%
9月-0.8%48%-0.7%+8.8%-11.0%
10月+0.9%63%+0.9%+10.8%-21.8%
11月+1.8%73%+2.1%+10.8%-8.5%
12月+1.3%73%+0.6%+11.2%-9.2%

🌷 セルインメイ(Sell in May)は本当か

「5月に売って11月に買い戻せ」。検証すると、冬側(11〜4月)は平均+6.8%・勝率78%夏側(5〜10月)は平均+2.9%・勝率72%。1987年から「その半年だけ投資」を繰り返すと、冬側だけなら元本100→1204、夏側だけなら100→245差は歴然、でも夏もプラス——つまり「夏は上がりにくい」は本当でも「売るべき」とまでは言えません(税金・取引コスト・急騰の取り逃しリスクを考えるとなおさら)。

冬側 11〜4月
+6.8%
半年あたり平均 · 勝率78% · n=40
夏側 5〜10月
+2.9%
半年あたり平均 · 勝率72% · n=39
冬側だけ投資(複利)
100→1204
1987年から冬の半年だけ投資し続けた場合
夏側だけ投資(複利)
100→245
同・夏の半年だけ。プラスは維持

🍂 9月効果 — 統計上いちばん弱い月

9月は平均-0.8%・勝率48%と、12ヶ月で唯一はっきり負け越している月です(直近20年でも平均-0.7%)。理由は税損売り・決算期リバランス・夏枯れ明けなど諸説ありますが決定打はなし。「9月に下がってもそれは平常運転」と知っておくと狼狽しにくい、という使い方が正解です。

🎅 12月とサンタクロースラリー

12月は平均+1.3%・勝率73%と堅調寄り。なお本来の「サンタクロースラリー」は年末最後の5営業日+年始2営業日という短い窓の話で、月次データでの検証はあくまで近似です。12月が弱い年は翌年が荒れるという言い伝えもありますが、統計的な裏付けは弱め。

🗳️ 大統領選サイクル — 「選挙後1年目」が最強

米大統領の4年任期で相場の強さが変わるという説。暦年リターンを任期の位置で平均すると、最強は選挙後1年目(平均+17.1%)、最弱は中間選挙年(平均+0.8%)でした。政権が中間選挙後〜再選に向けて景気テコ入れを図るから、という説明が定番です。ただし1986年以降でn=10回分しかなく、1回の金融危機で平均が大きく動く標本数である点は割り引いて読んでください。

暦年リターンの平均(任期の位置別・1986–2026)出典: 当サイト算出(派生統計)

🌡️ 1月バロメーター — 「1月を見れば1年がわかる」?

「1月が上がった年は、その年全体も上がる」という説。検証すると、1月がプラスだった年(n=24)の残り11ヶ月は平均+10.9%・勝率79%1月がマイナスだった年(n=15)は平均+6.4%・勝率73%。確かに1月プラス年の方が良い成績ですが、1月マイナス年も平均ではプラス——「1月が悪い=売り」にはなりません。そもそも株式は長期で上がりやすい資産なので、「どんな年もだいたい上がる」が正解に近いです。

⚠️ アノマリーとの正しい付き合い方

①差は小さい——月別の平均差は1〜2%で、FOMCや決算1回で消し飛ぶ大きさ(FOMCの読み方)。②知られると消える——広く知られたアノマリーは先回りされて薄まる宿命。③後付けの発見——大量のパターンを探せば偶然「効く」ものが必ず見つかります(データマイニング・バイアス)。だからkabuの結論はシンプルで、タイミングはアノマリーではなく、業績と株価の乖離(実態と期待の差)で測る——乖離スコアの読み方がその方法です。アノマリーは「今月の相場の季節感」を楽しむスパイスとして。

よくある質問

アノマリーとは何ですか?
理論では説明しにくいのに経験的に観測されてきた市場の規則性(カレンダー効果など)のことです。「セルインメイ」「9月は弱い」「大統領選サイクル」などが有名ですが、統計的な偏りに過ぎず、将来も続く保証はありません。
セルインメイは本当ですか?
当サイトの検証(S&P500・1986〜2026年)では、11〜4月の平均+6.8%に対し5〜10月は平均+2.9%で、確かに冬側が優位でした。ただし夏側も勝率72%でプラス寄りであり、税金・取引コストを考えると「5月に売る」より持ち続けた方が良かった年が多いのが実態です。
9月が弱いのはなぜですか?
税損確定売り、機関投資家の決算期リバランス、夏枯れ後の流動性など諸説ありますが、決定的な説明はありません。理由が曖昧なアノマリーは、広く知られた時点で薄れていく傾向があります。
アノマリーで売買のタイミングを計るべきですか?
推奨しません。月別の平均差は1〜2%程度で、1回の決算や金利イベントで簡単にかき消される大きさです。当サイトはアノマリーを「相場の季節感を知る読み物」と位置づけており、投資判断は業績と価格の乖離など実態ベースの分析を推奨します。
対象: S&P500(配当除く価格指数)の月次データ 1986年〜2026年(暦年39年分・月次478本)。当ページの数値はすべて当サイトが算出した集計統計(平均・勝率など)であり、生の価格データは表示・配布していません。毎週自動で再計算されます。過去の傾向は将来の成果を保証しません。情報提供・教育目的であり、投資助言ではありません。