アマゾン(Amazon)の稼ぎ方と売上内訳|AWSは売上の21%で営業利益の60%・広告も1割に【2026年】
売上100円の使いみち
このシリーズ(稼ぎ方で読む米国株)は、大きな会社がどこで売上を上げ、どこにお金を使い、いくら残しているかを、決算の数字だけで説明します。第4回はアマゾンです。
| 項目 | 売上100円あたり | 金額(直近4四半期) |
|---|---|---|
| 売上 | 100円 | 7,757億ドル |
| 売上原価(仕入れ・配送など) | 49円 | 3,817億ドル |
| 物流・技術・販売・管理の費用など | 39円 | 3,003億ドル |
| 営業利益(本業のもうけ) | 12円 | 937億ドル |
| 純利益(営業外の利益を含む) | 17円 | 1,353億ドル |
アマゾンは物流センターの運営(フルフィルメント)や、AWS のデータセンターを含む技術・インフラの費用が大きく、原価のあとにも39円の費用がかかります。
純利益(17円)が本業のもうけ(12円)より大きいのは、AI 企業 Anthropic への投資の評価益が入っているためです。2026年4〜6月期だけで、営業外の利益は534億ドルでした。評価益は相手の企業価値の変化で動くので、毎年続くものではありません。
売上100円の内訳と5年の推移は、kabu が SEC EDGAR の決算データから計算した値(2026年9月26日時点)。
売上の内訳:通販が6割、AWS が2割
| 区分 | 売上(直近4四半期) | 割合 | 4〜6月期の前年比 |
|---|---|---|---|
| オンラインストア(自社で仕入れて売る通販) | 2,851億ドル | 36.8% | +15% |
| 出品者向けサービス(手数料・配送代行など) | 1,837億ドル | 23.7% | +16% |
| AWS(クラウド) | 1,484億ドル | 19.1% | +37% |
| 広告 | 761億ドル | 9.8% | +26% |
| サブスクリプション(プライム会員など) | 529億ドル | 6.8% | +12% |
| 実店舗(ホールフーズなど) | 230億ドル | 3.0% | +4% |
| その他 | 66億ドル | 0.9% | +22% |
広告は、アマゾンのサイト上で出品者が出す検索広告などが中心で、1年分で761億ドルと、売上の約1割まで大きくなりました。
AWS は売上の21%で、営業利益の60%
アマゾンは事業を、北米・海外・AWS の3つに分けて利益を開示しています(2026年1〜6月)。
| 事業 | 売上 | 売上の割合 | 営業利益 | 営業利益率 | 営業利益の割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北米(通販など) | 2,203億ドル | 57.7% | 174億ドル | 7.9% | 33.9% |
| 海外(通販など) | 820億ドル | 21.5% | 31億ドル | 3.8% | 6.1% |
| AWS | 798億ドル | 20.9% | 308億ドル | 38.6% | 60.0% |
| 合計 | 3,821億ドル | 100% | 513億ドル | 13.4% | 100% |
通販の利益率は北米で約8%、海外で約4%と、小売らしい薄い利益です。一方 AWS は利益率が約39%あり、売上の5分の1で利益の6割を稼いでいます。通販の利益率の中には、利益率の高い広告も含まれています(広告単体の利益は開示されていません)。
5年の推移:利益は増えたが、現金はマイナスに
| 年度 | 売上 | 営業利益率 | 営業CF | 設備投資 | FCF |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 5,140億ドル | 2.4% | 468億ドル | 636億ドル | −169億ドル |
| 2023年 | 5,748億ドル | 6.4% | 849億ドル | 527億ドル | 322億ドル |
| 2024年 | 6,380億ドル | 10.8% | 1,159億ドル | 830億ドル | 329億ドル |
| 2025年 | 7,169億ドル | 11.1% | 1,395億ドル | 1,318億ドル | 77億ドル |
| 直近4四半期(〜2026年6月) | 7,757億ドル | 12.1% | 1,614億ドル | 1,730億ドル | −116億ドル |
本業の利益率は2.4%から12.1%に上がり、営業CF も3倍以上になりました。しかし設備投資がそれを上回るペースで増え、直近1年の FCF はマイナスです。会社は設備投資の増加について「主に AI への投資」と説明しています(会社の定義の FCF は −76億ドル)。
売上100円の内訳と5年の推移は、kabu が SEC EDGAR の決算データから計算した値(2026年9月26日時点)。FCF は営業CF − 設備投資。会社の定義では、設備の売却収入や補助金を差し引いた額を使っています。
kabu のデータで見るいまの値札
2026年6月末時点で、PER は約19倍、PSR は約3.4倍です。ただし直近の純利益には Anthropic への投資の評価益が大きく入っているため、PER は本業だけで見たときより低く出ています。直近2年の乖離度は −1pt で、株価と売上はおおむね同じペースで伸びています(株格 GPFL)。
会社の見通しでは、2026年7〜9月期の売上は1,970〜2,020億ドル、営業利益は225〜265億ドルです。次の決算はアマゾンの決算プレビュー、売上100円の図は銘柄ページ、比較はAmazon vs Microsoft・Amazon vs Walmartへ。