コストコ(Costco)の稼ぎ方|売上100円で残るのは3円・年会費が営業利益の約半分【2026年】
売上100円の使いみち
このシリーズ(稼ぎ方で読む米国株)は、大きな会社がどこで売上を上げ、どこにお金を使い、いくら残しているかを、決算の数字だけで説明します。第9回はコストコです。
| 項目 | 売上100円あたり | 金額(2026年8月期) |
|---|---|---|
| 売上(商品+年会費) | 100円 | 3,032億ドル |
| 商品の仕入れ | 87円 | 2,643億ドル |
| 販売費・一般管理費(倉庫店の人件費・運営費など) | 9.0円 | 272億ドル |
| 営業利益(本業のもうけ) | 3.9円 | 117億ドル |
| 税金・その他 | 0.8円 | 25億ドル |
| 純利益(最後に残るお金) | 3.0円 | 92億ドル |
仕入れに87円かかり、商品で上げる粗利は13円(年会費を含む)しかありません。ここまで紹介した大型テックとは、まったく違う形です。
2026年8月期の決算リリース(2026年9月24日)の数字。銘柄ページの「売上100円」は 10-K の提出(10月ごろ)のあとに2026年8月期に更新されます。
商品は薄利、年会費で稼ぐ
| 2026年8月期 | 2025年8月期 | |
|---|---|---|
| 商品の売上 | 2,972億ドル | 2,699億ドル |
| 商品の仕入れ | 2,643億ドル | 2,399億ドル |
| 商品の粗利(粗利率) | 330億ドル(11.1%) | 300億ドル(11.1%) |
| 販売費・一般管理費 | 272億ドル | 250億ドル |
| 商品で残る利益(粗利 − 販管費) | 58億ドル | 51億ドル |
| 年会費 | 59億ドル | 53億ドル |
| 営業利益 | 117億ドル | 104億ドル |
商品の粗利率は11%と、ふつうの小売より低い水準に抑えられています。そこから倉庫店の運営費を引くと、商品で残る利益は58億ドルです。一方、年会費は59億ドルあり、営業利益のほぼ半分になります。年会費はほぼそのまま利益になるため、「安く売って会員を増やし、会費で稼ぐ」形が数字にも表れています。
年会費は前年から+11%増えました。倉庫店は世界で939店(日本は37店)です。
5年の推移:ほとんど変わらない利益率
| 年度(決算期) | 売上 | 営業利益率 | 最後に残る(100円あたり) |
|---|---|---|---|
| 2022年8月期 | 2,270億ドル | 3.5% | 2.6円 |
| 2023年9月期 | 2,423億ドル | 3.3% | 2.6円 |
| 2024年9月期 | 2,545億ドル | 3.6% | 2.9円 |
| 2025年8月期 | 2,752億ドル | 3.8% | 2.9円 |
| 2026年8月期 | 3,032億ドル | 3.9% | 3.0円 |
売上は4年で約1.3倍になりましたが、営業利益率は3〜4%、残る利益は100円あたり3円前後で、ほとんど変わっていません。利益率を上げるより、同じ薄い利益率のまま規模を大きくしてきたことがわかります。
売上100円の内訳と5年の推移は、kabu が SEC EDGAR の決算データから計算した値(2026年9月26日時点)。2026年8月期は決算リリースの値。
現金の動き
2026年8月期の営業CF は158億ドル、設備投資(新しい倉庫店など)は64億ドルで、FCF は94億ドルでした。配当は25億ドル、自社株買いは8億ドルです。会員から先に受け取る年会費(前受けの年会費30億ドル)や、仕入れ先への支払いの後払い(買掛金226億ドル)もあり、手元の現金は202億ドルに増えています。
kabu のデータで見るいまの値札
2026年5月時点で、PER は約51倍、PSR は約1.5倍です。売上に対する値段(PSR)は低いものの、利益率が薄いため、利益に対する値段(PER)は大型テックより高くなっています。直近2年の乖離度は +6pt で、株価と売上はおおむね同じペースで伸びています(株格 SPEL)。
売上100円の図は銘柄ページ、ウォルマートとの比較はCostco vs Walmartへ。