マイクロソフト(Microsoft)の稼ぎ方と売上内訳|3つの事業の利益率と、AI投資で増えた設備投資【2026年】
売上100円の使いみち
このシリーズ(稼ぎ方で読む米国株)は、大きな会社がどこで売上を上げ、どこにお金を使い、いくら残しているかを、決算の数字だけで説明します。第3回はマイクロソフトです。
| 項目 | 売上100円あたり | 金額(2026年6月期) |
|---|---|---|
| 売上 | 100円 | 3,318億ドル |
| 売上原価(データセンターの運営・減価償却など) | 32円 | 1,064億ドル |
| 研究開発費 | 11円 | 356億ドル |
| 販売費・一般管理費など | 10円 | 345億ドル |
| 営業利益(本業のもうけ) | 47円 | 1,552億ドル |
| 税金・その他 | 6.5円 | 216億ドル |
| 純利益(最後に残るお金) | 40円 | 1,337億ドル |
純利益には、OpenAI や Anthropic への投資に関連する利益が含まれています。会社は OpenAI への投資の影響を除いた純利益(非GAAP)を1,288億ドル(+22%)と開示しています(GAAPと非GAAPの違い)。
売上100円の内訳と5年の推移は、kabu が SEC EDGAR の決算データから計算した値(2026年9月26日時点)。
3つの事業:売上と利益率
| 事業 | 主な中身 | 売上 | 前年比 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 生産性・ビジネスプロセス | Microsoft 365(Office)・LinkedIn・Dynamics | 1,400億ドル | +16% | 59.9% |
| インテリジェントクラウド | Azure・サーバー製品・GitHub など | 1,378億ドル | +30% | 41.3% |
| パーソナルコンピューティング | Windows・Xbox・検索広告(Bing)・Surface | 541億ドル | −1% | 26.6% |
| 合計 | 3,318億ドル | +18% | 46.8% |
営業利益に占める割合では、生産性・ビジネスプロセスが54%、インテリジェントクラウドが37%、パーソナルコンピューティングが9%です。いちばん稼いでいるのは Office などのサブスクリプションで、いちばん伸びているのはクラウドです。
クラウドの利益率は41.3%で、前の年(42.0%)から少し下がりました。売上原価の伸び(+44%)が売上の伸び(+30%)を上回ったためです。Azure の年間売上は初めて1,000億ドルを超え、2026年4〜6月期の Azure などの伸びは+43%でした。
設備投資が5年で約5倍に
| 年度(6月期) | 売上 | 営業CF | 設備投資 | FCF | FCF(売上100円あたり) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 1,983億ドル | 890億ドル | 239億ドル | 651億ドル | 33円 |
| 2023年 | 2,119億ドル | 876億ドル | 281億ドル | 595億ドル | 28円 |
| 2024年 | 2,451億ドル | 1,185億ドル | 445億ドル | 741億ドル | 30円 |
| 2025年 | 2,817億ドル | 1,362億ドル | 646億ドル | 716億ドル | 25円 |
| 2026年 | 3,318億ドル | 1,829億ドル | 1,159億ドル | 670億ドル | 20円 |
本業で入ってくる現金(営業CF)は5年で約2倍になりましたが、設備投資はそれ以上の約5倍に増えました。その結果、手元に残る現金(FCF)は売上100円あたり33円から20円に下がっています。利益(純利益40円)と現金(FCF 20円)の差が広がっているのが、いまのマイクロソフトの特徴です。
設備投資は、何年もかけて費用(減価償却)として損益計算書に出てきます。今後、この費用が原価をどれだけ押し上げるかが、利益率を見るうえでのポイントになります。利益と現金の違いはFCFと純利益の違いで扱っています。
売上100円の内訳と5年の推移は、kabu が SEC EDGAR の決算データから計算した値(2026年9月26日時点)。FCF は営業CF − 設備投資。
受注残:6,780億ドル
企業との契約のうち、まだ売上になっていない金額(商業向けの残存履行義務=RPO)は、2026年6月末時点で 6,780億ドル(前年比+84%)でした。1年分の売上の約2倍にあたります。クラウドの長期契約が積み上がっていることを表す数字です。
受注残と売上の関係はARR・売上・RPO の違いで扱っています。
kabu のデータで見るいまの値札
2026年6月末時点で、PER は約22倍、PSR は約8.7倍です。直近2年の乖離度は −23pt で、売上の伸び(年率+16%)が株価の伸びを上回る「業績先行」の状態です(株格 GPFL)。
次の決算の日程はマイクロソフトの決算プレビュー、売上100円の図は銘柄ページ、ほかの大型テックとの比較はApple vs Microsoft・Amazon vs Microsoft・Microsoft vs Alphabetで確かめられます。