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金利と米国株の関係 — 利上げ・利下げの影響を受けやすいとされる会社の特徴を実データで整理

2026年9月16日、米国の中央銀行にあたる FRB(連邦準備制度理事会)の FOMC は、政策金利の誘導目標を0.25%引き上げて3.75〜4.00%にしました。金利が動くと「成長株が売られた」「銀行株が上がった」といったニュースが増えます。この記事では、金利が株価に効く仕組みを短く押さえたうえで、影響を受けやすいとされる会社の特徴を、kabu が対象とする米国株196銘柄の実データ(2026年9月25日時点)で見ていきます。これからの値動きを予想するものではありません。

金利が株価に効く2つの経路 — 割引率と借入コスト

① 割引率(将来の利益の、いまの値打ち):株価は「会社が将来生み出す利益」をいまの価値に直したもの、と考えられます。金利が高いほど、遠い将来のお金は今の価値に直すと小さくなります。そのため、利益の多くが遠い将来に見込まれている会社ほど、金利の変化で理論上の値段が大きく動きやすいとされます。これが「金利が上がるとPERが下がりやすい」と言われる理由です(詳しくはFOMCの読み方)。

② 借入コスト(利息):借金の多い会社は、金利が上がると払う利息が増え、利益が減りやすくなります。逆に、預金や貸出で稼ぐ銀行のように、金利が上がると収益が増える面を持つ業種もあります。

どちらも「そうなりやすい」という理屈で、実際の株価は、景気・業績・金利がなぜ動いたのか、などに左右されます。

出典: FRB 2026年9月16日の声明

特徴①:PER が高い — 期待が遠い将来に乗っている

PER(株価収益率)は、会社の値段が1年分の利益の何年分かを表します。PER が高いほど、いまの利益より将来の利益への期待が株価に多く含まれている、と読めます。①の割引率の理屈から、PER の高い会社ほど金利の影響を受けやすいとされます。

kabu の対象196銘柄のうち、PER が出る163銘柄の中央値は28.6倍、40倍を超える銘柄が57銘柄ありました。セクター(5銘柄以上)ごとの中央値は次のとおりで、業種による差が大きいことがわかります。

セクター銘柄数PER 中央値赤字などで PER なし
フォトニクス889.6倍4
半導体製造装置663.7倍1
半導体3158.4倍8
生活必需品1032.8倍0
資本財1631.4倍0
ソフトウェア3931.4倍8
ヘルスケア1929.2倍2
電力・原子力823.7倍1
一般消費財1423.0倍0
金融1419.9倍1
エネルギー1014.9倍0
通信610.9倍1

PER は直近4四半期の純利益(TTM)で計算。直近が赤字の銘柄は PER を出していません。kabu の対象銘柄は大型・話題の銘柄が中心で、市場全体の平均とは異なります。

特徴②:売上の伸びが速い — 成長株ほど PER が高い

売上が速く伸びている会社は、将来の利益も大きくなると期待されやすく、PER も高くなる傾向があります。kabu の実データでも、直近四半期の売上の伸び(前年同期比)で3つに分けると、はっきりした差が出ました。

売上の伸び(前年同期比)銘柄数PER 中央値
+30%以上4149.9倍
+10〜30%6030.8倍
+10%未満6222.9倍

「成長株は金利に弱い」と言われるのは、特徴①と同じ理屈です。ただし、伸びが続いて利益が実際に増えれば PER は下がっていくので、金利だけで決まるわけではありません。株価の伸びと業績の伸びの差は、各銘柄ページの「株価と業績のズレ」の図で確かめられます。

特徴③:まだ赤字 — 資金の集めやすさにも左右される

kabu の対象のうち33銘柄は、直近4四半期が赤字などで PER が出ません。利益がまだ出ていない会社は、価値のほとんどが将来にあるため①の影響を受けやすく、さらに、事業のお金を借入や増資で集める条件(金利・投資家の姿勢)にも左右されやすいとされます。

赤字の会社を見るときは、手元の現金で何年もつかが一つの目安になります。kabu の銘柄ページの「つぶれにくい?」では、赤字の会社について「今の赤字ペースで現金は約何年分か」を出しています。

特徴④:借金が多い、または金利で稼ぐ業種

②の経路です。設備に大きなお金がかかる電力・通信・不動産のような業種は借金が多くなりやすく、金利が上がると利息の負担が増えます。一方、銀行は預金と貸出の金利差で稼ぐため、金利が上がると収益が増える面がありますが、景気や貸し倒れの影響も受けます。

個別の会社の借金の大きさは、kabu の銘柄ページの「年度末の現金と借金」(くわしい表示では「現金・短期投資と有利子負債」)で、5年分の推移を確認できます。

益回りと政策金利を並べてみる

PER をひっくり返した益回り(利益 ÷ 株価)は、株を「利回り」として見る見方です。kabu の対象の PER 中央値28.6倍を益回りにすると約3.5%。9月の決定後の政策金利の誘導目標(3.75〜4.00%)と同じくらいの水準です。

預金や債券の利回りが上がると、株の益回りと比べられやすくなる、というのがこの見方のポイントです。ただし、株の益回りはいまの利益で計算したもので、将来の利益の伸びを含みません。この比較だけで株価の高い・低いは決まらないので、目安の一つとして見るのがよいとされます。

kabu で確かめる方法

  • PER が過去と比べてどの位置か:銘柄ページを「くわしい」表示にすると、「過去5年の中のいま」で PER・PSR の過去の範囲と現在の位置が見られます。
  • 株価が業績より先に動いているか:銘柄ページの「株価と業績のズレ」の図と乖離度。
  • 借金と現金:銘柄ページの「つぶれにくい?」と5年の推移。
  • 条件で絞る:スクリーナーで PER や売上の伸びを指定して並べ替え。

次の FOMC の日程と見どころは次回FOMCはいつ?にまとめています。

よくある質問

金利が上がると株価は必ず下がりますか?
必ずではありません。金利が上がる理由(景気が強いのか、インフレが強いのか)や、業績がどう動くかで株価の反応は変わります。一般には、PER の高い会社や赤字の会社ほど金利の影響を受けやすいとされます。
なぜ成長株は金利に弱いと言われるのですか?
成長株は利益の多くが遠い将来に見込まれているため、金利(割引率)が上がると、その将来の利益の「いまの値打ち」が小さくなりやすいからです。kabu の実データでも、売上の伸びが速い銘柄ほど PER が高い傾向がありました。
金利が上がると有利になる業種はありますか?
銀行のように、預金と貸出の金利差で稼ぐ業種は、金利が上がると収益が増える面があるとされます。ただし景気の悪化や貸し倒れの影響も受けるため、業種だけで決まるものではありません。
益回りと金利を比べるとどう使えますか?
益回り(利益 ÷ 株価)は PER の逆数で、預金や債券の利回りと並べて見る目安になります。ただし、いまの利益で計算しているため、将来の利益の伸びは含まれません。比較だけで株価の高い・低いは判断できません。

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出典: ファンダは SEC EDGAR(10-K / 10-Q)、株価は Yahoo Finance。本記事は情報提供・教育目的であり、投資助言ではありません。データに誤りを含む場合があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。 データの作り方 · 運営者情報