エヌビディア(NVIDIA)が自社株買い枠を1,500億ドル追加|残り2,350億ドルの大きさを数字で見る【2026年9月】
9月28日の発表:枠を1,500億ドル追加、残りは2,350億ドル
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年9月28日 |
| 追加した枠 | 1,500億ドル |
| 追加後の残りの枠 | 2,350億ドル |
| 実行の見込み | 2028年度(2028年1月期)まで |
2028年1月期の終わりまでは、2026年8月からおよそ6四半期です。2,350億ドルを6四半期で使い切るとすると、1四半期あたり約390億ドルになり、直近の四半期(2026年5〜7月期)の約200億ドルのほぼ2倍のペースです。
2026年7月末の時価総額(約4兆9,800億ドル)と比べると、2,350億ドルは約4.7%にあたります。7月末時点の残りの枠(993億ドル)と今回の発表の数字から計算すると、8〜9月にもおよそ140億ドル分の枠を使ったことになります(正確な金額は次の 10-Q で開示されます)。
直近の自社株買い:半年で398億ドル
| 2026年5〜7月期 | 2026年2〜7月(半年) | |
|---|---|---|
| 買い戻した株数 | 9,400万株 | 2億300万株 |
| 使った金額 | 197億ドル | 398億ドル |
| 配当の支払い | 60億ドル | 63億ドル |
今回の前にも、取締役会は2026年5月18日に800億ドルの枠を追加していました(期限なし)。2026年7月26日時点の残りの枠は993億ドルでした。
同じ日に、四半期の配当も 1株0.01ドルから0.25ドルに引き上げました(25倍)。5〜7月期の配当の支払いは60億ドルと、前年同期(2.4億ドル)から大きく増えています。
稼いだ現金のうち、どれだけを返しているか
| 年度(決算期) | フリーキャッシュフロー | 自社株買い | 配当 | 株主還元の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年1月期 | 38億ドル | 100億ドル | 4億ドル | 274% |
| 2024年1月期 | 270億ドル | 95億ドル | 4億ドル | 37% |
| 2025年1月期 | 609億ドル | 337億ドル | 8億ドル | 57% |
| 2026年1月期 | 967億ドル | 401億ドル | 10億ドル | 42% |
| 2026年2〜7月(半年) | 700億ドル | 390億ドル | 63億ドル | 65% |
株主還元の割合(自社株買い+配当 ÷ フリーキャッシュフロー)は、この半年で65%と、前の2年(42〜57%)より高くなりました。配当の増額が効いています。2023年1月期は、稼いだ現金(38億ドル)を大きく上回る100億ドルを自社株買いに使っていました。
キャッシュフロー計算書の支払額(現金ベース)。フリーキャッシュフローは営業CF − 設備投資(有形・無形固定資産の取得)。SEC の 10-K・10-Q から計算。
買った株数ほど、株数は減っていない
| 2026年2〜7月(半年) | |
|---|---|
| 期首の発行済み株数 | 243億400万株 |
| 自社株買いで減った株数 | −2億300万株 |
| 社員の株式報酬などで増えた株数 | +6,900万株 |
| 税金の支払いのために会社が差し引いた株数 | −2,300万株 |
| 期末の発行済み株数 | 241億4,700万株(−0.6%) |
自社株買いで2億300万株を減らしましたが、同じ期間に社員への株式報酬で6,900万株が新たに発行されています。買い戻した株数の約3分の1は、株式報酬による増加を打ち消すのに使われた計算です。発行済み株数は半年で0.6%、1年前(2025年1月末の244億7,700万株)からは1.4%減りました。
株式報酬の費用は、2026年1月期で64億ドルでした。社員が受け取った株にかかる税金を会社が代わりに払う分(2026年1月期で80億ドル)も、実質的には株を買い戻すのと同じ効果があります(株式報酬(SBC)・希薄化)。
株数は 10-Q の株主資本等変動計算書から。2024年6月の10分割のあとの株数です。
時価総額に比べると
直近4四半期の自社株買いは約553億ドル、配当は約68億ドルでした。2026年7月末の時価総額(約4兆9,800億ドル)と比べると、自社株買いは約1.1%、配当は約0.1%にあたります。金額は大きくても、会社の大きさに対しては1%前後です。
kabu のデータでは、PER は約26倍、直近2年の乖離度は −42pt(売上の伸びが株価の伸びを上回る「業績先行」)です(エヌビディアの銘柄ページ)。
直近4四半期=2025年8月〜2026年7月。2026年1月期の通期から同年7月期までの半期の数字を差し引いて計算。
現金のほかの使いみち
エヌビディアは自社株買いと同時に、ほかにも大きな現金の使いみちを抱えています。
- 部材の購入の約束:2026年7月末で2,790億ドル(主にメモリ)
- 投資・買収:出資の約束が250億ドル。2026年9月には Hugging Face を約119億ドルで買収することで合意しました
- データセンターの保証:OpenAI 向けのデータセンターに関連して、最大1,050億ドルの保証
手元の現金と有価証券は2026年7月末で566億ドルです。枠はあくまで「買ってよい上限」で、実際にどれだけ買うかは四半期ごとの判断になります。
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