Lam Research(LRCX)とは何の会社?エッチング・成膜装置の強みと弱み・リスク — NANDの積層・HBMのTSV・3年連続で市場を上回る成長とPER 75倍を解説
Lam Research(ティッカー: LRCX)は、半導体の製造工程のうち「削る(エッチング)」と「積む(成膜)」に特化した装置メーカーです。NAND フラッシュを何百層も積み上げる工程と、HBM の DRAM を貫通する穴(TSV)を掘る工程はどちらも Lam の得意分野で、AI メモリの需要増がそのまま装置需要になります。2026年度は 3 年連続で装置市場全体の成長を上回る見通しですが、株価はそれ以上に走っています。
会社概要 — Lam Researchは何をつくる会社か
Lam Research は1980年創業、米カリフォルニア州フリーモントの企業です。
- エッチング装置 — 回路パターンに沿ってウェハーを削る。高アスペクト比(深くて細い穴)の加工で首位級。
- 成膜装置 — 薄膜を積む(ALD・CVD 等)。NAND の積層や配線の形成に使う。
- 洗浄・サービス — 納入装置の保守・改造(設置台数に比例して増える安定収益)。
エッチングと成膜とは — なぜ「積層」で需要が増えるか
半導体は平面に回路を描く時代から、縦に積む時代に入りました。
- NAND フラッシュ — 記憶素子を 100 層、200 層と積み上げ、その全層を貫く深い穴をエッチングで一気に開けます。層が増えるほど穴は深く難しくなり、ウェハー 1 枚あたりの装置需要が増える。会社は 128 層から 500 層超への移行で、1 枚あたりの Lam の対象市場が 2 倍になると説明しています。
- HBM — DRAM を 12〜16 段積み、上下を貫く TSV(シリコン貫通電極)を掘って接続します。この穴あけと埋め込みが Lam の得意工程で、HBM の段数が増えるほど工程が増えます(HBM3E と HBM4 の違い)。
- 先端ロジック(GAA) — ナノシート構造を作るには、選択的に削る・積む工程が増え、ここでも Lam の装置が要ります。
なぜ強いのか — moatの核心は「深く掘る技術」と「NANDの世代転換」
- 高アスペクト比エッチングの首位級 — 何百層を貫く穴を、真っすぐ、均一に、速く開ける技術は蓄積が要り、競合(東京エレクトロン・Applied)との差別化要因です。
- NAND の転換需要 — NAND メーカーは既存工場の装置を新世代に「転換」しており、その額は 400 億ドル規模と会社は説明。転換が終わると次は新規の生産能力が必要になり、需要が続く構図です。
- メモリ寄りのポートフォリオ — HBM・DRAM の投資が優先される局面で、メモリ比率の高さが追い風になります(逆風になる局面もある)。
- サービス収益 — 設置台数の増加とともに、保守・改造の収益が安定的に積み上がります。
弱点とリスク — メモリ市況・中国・倍率
- メモリ市況への感応度 — 顧客がメモリ中心のため、DRAM・NAND の価格が崩れて設備投資が止まると、Lam の受注は装置 3 社の中で最も大きく振れます。2023 年の NAND 不況では大幅減収を経験しました(メモリ市況のサイクル)。
- 中国向けの比率と規制 — 中国のメモリ・成熟ロジック向けが売上の 3〜4 割を占めた時期があり、米国の輸出規制の変更が直接効きます。
- 倍率が最も上がった装置株 — PER は過去中央値の約 3 倍、PSR は約 3.4 倍。「NAND 転換と HBM の需要が数年続く」ことを前提にしています。
- 顧客集中 — Samsung・SK hynix・Micron・TSMC の投資判断に依存。
- 競合 — エッチングでは東京エレクトロン、成膜では Applied Materials と競合。
数字で見る — kabuの実データから
2026年9月時点の kabu データ(SEC EDGAR+株価から算出。最新は銘柄ページで確認)では、直近四半期の売上は前年比 +30%、粗利率約 52%、営業利益率 37%、純利益率 34%。PER(TTM)は約 75 倍で過去中央値(約 26 倍)の約 3 倍、PSR は約 23 倍(中央値約 7 倍)。株価の 2 年 CAGR(+40%)は売上の CAGR(+11%)を大きく上回り、乖離は同セクター内で高め。ROE が 65% と高いのは自社株買いで自己資本が薄いためでもあります。判定ページで最新値を確認してください。
競合比較 — 装置3社の中での位置
| 企業 | 主な工程 | 需要の源 | 市況への感応度 |
|---|---|---|---|
| Lam Research(LRCX) | エッチング・成膜 | NAND 積層・HBM の TSV・GAA | 高い(メモリ寄り) |
| Applied Materials(AMAT) | 成膜・CMP・イオン注入ほか | ロジック・メモリ・パッケージング全般 | 中(幅が広い) |
| KLA(KLAC) | 検査・計測 | 歩留まり管理・先端パッケージング | 低め(検査は減らしにくい) |
| 東京エレクトロン(日本・対象外) | コータ・エッチング・成膜 | Lam の直接競合 | 高い |
3 社の数値比較は LRCX vs AMAT・AMAT vs KLAC をどうぞ。Lam は「最も伸び、最も振れる」装置株です。
よくある質問
Lam Research はどんな会社ですか?
半導体製造装置のうち、エッチング(削る)と成膜(積む)に特化した米国企業です。NAND の積層や HBM の TSV 加工で首位級で、2026年6月期は 3 年連続で装置市場の成長を上回る見通しです。
なぜ NAND の高層化で Lam の売上が増えるのですか?
NAND は記憶素子を何百層も積み、全層を貫く深い穴をエッチングで開けます。層が増えるほど穴は深く難しくなり、ウェハー 1 枚あたりに必要な装置が増えるためです。会社は 128 層から 500 層超への移行で対象市場が 2 倍になると説明しています。
Lam Research の最大のリスクは何ですか?
メモリ市況への感応度です。顧客がメモリメーカー中心のため、DRAM・NAND の価格が崩れて設備投資が止まると受注が大きく減ります。中国向けの輸出規制と、過去中央値の 3 倍に達した PER も期待の修正要因になり得ます。
Lam Research と Applied Materials の違いは何ですか?
Lam はエッチングと成膜に特化しメモリ比率が高く、Applied は成膜・研磨・イオン注入・検査など幅広い工程を持ちロジック・メモリの両方に強い会社です。Lam のほうが伸びも振れも大きい傾向があります。
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