ガラス基板と有機基板の違い — AIチップでガラスが注目される理由と、関連する米国株(2026年9月)
一覧表:ガラス基板と有機基板の違い
| 項目 | 有機基板(いまの主流) | ガラス基板(次の候補) |
|---|---|---|
| 中心の材料 | 樹脂(ガラス繊維入りのエポキシなど) | ガラスの板(ガラスコア) |
| 表面の平らさ | わずかに凹凸がある | とても平ら |
| 熱による伸び縮み | 大きめ(チップのシリコンと差がある) | シリコンに近づけられる |
| 配線の細かさ | 微細化に限界が見えてきた | より細かい配線を作りやすいとされる |
| 大きなパッケージ | 大きくすると反りやすい | 反りにくく、大型化しやすいとされる |
| 課題 | — | 割れやすさ、穴あけとめっき(TGV)、量産の実績 |
「基板(サブストレート)」は、チップを載せて外の回路とつなぐ土台です。半導体そのものではありませんが、AI チップの性能と作りやすさを左右する部品になっています(先端パッケージ)。
なぜ AI チップでガラスが注目されるのか
AI 向けのチップは、計算用のチップの周りにHBM(積み重ねた高速メモリ)をいくつも並べ、全体をひとつの大きなパッケージにします。載せる HBM を増やすほど、パッケージは大きくなり、配線も細かくなります。
有機基板は、大きくすると熱で反りやすく、配線の細かさにも限界が見えてきた、とされています。ガラスは平らで、熱による伸び縮みをシリコンに近づけられるため、より大きく、より細かい配線のパッケージを作りやすい、というのが期待されている理由です。報道では、NVIDIA が HBM をより多く載せるためにガラス基板の採用を検討している、とされています。
ディスプレイ用の「ガラス基板」とは別物
「ガラス基板」という言葉は、液晶・有機EL パネルの土台になる薄いガラスにも使われます。コーニングなどが作っているのはこちらが中心で、コーニングの解説で扱ったのもディスプレイ用です。
この記事の「ガラス基板」は、半導体パッケージの中心(コア)に使うガラスで、穴をあけて上下を電気でつなぐ加工(TGV)などが必要な、別の製品です。ガラスの材料を作る技術は共通する部分がありますが、同じ市場ではない点に注意が必要です。
量産はいつ? — 2026年は試作と認証の段階
- インテルは、ガラス基板の量産を「2020年代後半」に始める方針を示しています。
- ドイツの装置メーカー SCHMID は、インテル・NVIDIA・AMD の供給網の中核企業と、ガラス基板の製造装置を開発していると開示しています。
- 一方で、穴のめっき(TGV の金属化)の難しさや、最終顧客の認証がまだ終わっていないことから、大規模な量産には時間がかかるとも報じられています。
「採用を検討」「開発中」と「量産で売上になる」の間には、ふつう数年かかります。関連銘柄の株価が先に動いても、業績に表れるのはそのあと、という点がポイントです。
関連する米国株の業績 — kabu の実データ
| 銘柄 | かかわり | 売上の伸び(直近四半期) | 乖離度(直近2年) | 株格 |
|---|---|---|---|---|
| NVDA(エヌビディア) | 使う側(AI チップ) | +106% | −42pt | GPFL |
| AMD | 使う側(CPU・AI チップ) | +50% | +46pt | GPEL |
| INTC(インテル) | 開発・量産の方針あり | +25% | +102pt | SIEL |
| GLW(コーニング) | ガラス材料(主にディスプレイ・光ファイバー) | +17% | +108pt | GPEL |
ガラス基板は、どの会社にとってもまだ売上のごく一部にもなっていない段階です。上の業績は、ガラス基板以外の事業の結果です。関連銘柄として名前が出ても、その会社の業績がこの技術で決まるわけではない点に注意してください。
数字は kabu が SEC EDGAR の決算データから計算した値(2026年9月25日時点)。時価総額・PER・PSR は各四半期末の値です。売上の伸びは直近四半期の前年同期比。