Tesla(TSLA)の株価上昇は業績か期待か|決算Divergence分析 FY26 Q1
Tesla(TSLA)の株価は約3.8年で約1.66倍。これを「業績(1株利益)」と「期待(株価収益率)」に分解すると、業績 −215% / 期待 +315% でした。Tesla の株価はこの約3.8年で約1.66倍ですが、同じ期間に1株利益(EPS)はむしろ下落しました(利益率の悪化)。つまり株価上昇は完全に期待(PER拡大)で説明される構図です(PER 74倍→362倍)。
1. 直近決算サマリー(2026Q1)
| 指標 | 直近四半期 |
|---|---|
| 売上高 | $22,387M |
| 純利益 | $477M |
| EPS | $0.13 |
| 営業利益率 | 4% |
| PER (TTM) | 361.5× |
| PSR (TTM) | 14.3× |
| ROE (TTM) | 5% |
最新の四半期(2026Q1)の実績です。インタラクティブな時系列は TSLA の銘柄ページ や ファンダ ビューア で確認できます。
2. 値動きの分解:株価CAGR vs 売上CAGR
| 指標 | 約3.8年・年率 |
|---|---|
| 株価CAGR | +14.4% |
| 売上CAGR | +10.6% |
| 乖離スコア(株価−売上) | +3.8pt |
乖離スコアは株価と売上の年率成長の差です。プラスは「株価が売上より速い」状態。ただしこれだけでは業績主導か期待主導か分かりません。そこで次に利益で分解します(→ 乖離スコアの読み方)。
3. 乖離の分解:業績(EPS) vs 期待(PER)
株価 = EPS × PER という恒等式を使うと、株価の倍率を「業績(EPS)」と「期待(PER)」の積に分解できます。
| 2022Q2 → 2026Q1 | 倍率 |
|---|---|
| 株価 | 1.66倍 |
| = EPS(業績) | 0.34倍 |
| × PER(期待) | 4.89倍 |
| 上昇の内訳 | 寄与 |
|---|---|
| 業績(EPS) | −215% |
| 期待(PER) | +315% |
参考: 基準 2022Q2 は 株価$224.47・PER73.9×・EPS$3.04、直近 2026Q1 は 株価$371.75・PER361.5×・EPS$1.03。
4. 読み(TSLA の現在地)
EPSが約3分の1に減る中で株価が上がったため、上昇分は全てマルチプル拡大によるものです。乖離スコア自体は+3.8ptと小さく見えますが、内訳は「業績のマイナスを、それを上回る期待が打ち消している」という極端な構図。直近の営業利益率4%・ROE5%・PER362倍は、自動運転・ロボット・エネルギーなど将来事業の成功を相当織り込んだ水準です。
主なリスク・注意点
- PER362倍・営業利益率4%は、将来の大幅な利益成長を前提にしている
- 期待が剥落した場合の下落余地が大きい(マルチプル依存)
- 本業(EV)の値下げ競争・利益率圧力
5. 出典・方法・注意
- ファンダ: SEC EDGAR companyfacts(10-K / 10-Q)。四半期化(YTD→単四半期)・株式分割調整・TTM集計を実施。
- 株価・PER: 各四半期末の終値ベース。分割調整済み。EPS(TTM)は終値÷PERで整合。
- 分解は 株価倍率 = EPS倍率 × PER倍率 の恒等式(対数寄与)で算出。基準期は十分なデータがある最初の四半期を採用。
- 会計上の利益は一過性要因を含み、基準期の取り方で数値は変わります。本稿は情報提供・教育目的であり投資助言ではありません。
よくある質問
Teslaの乖離は小さいのに、なぜ期待先行と言えるのですか?
乖離スコア(株価CAGR−売上CAGR)は+3.8ptと小さく見えますが、利益で分解すると別物です。EPSはこの期間に下落しており、株価上昇は100%がPER(期待)の拡大によるもの。「業績のマイナスを期待が大きく上回って打ち消している」状態で、期待依存度はむしろ非常に高いと言えます。
PERが360倍超でも買われるのはなぜ?
市場が現在の自動車事業の利益ではなく、自動運転・ロボティクス・エネルギーなど将来事業の利益を織り込んでいるためと考えられます。裏を返せば、その期待が外れたときの下落余地は大きくなります(投資助言ではありません)。
関連用語
📈 米国株をはじめるには証券口座が必要です PR
口座の開設は各社の公式サイトから。手数料・取扱銘柄・キャンペーン等の最新条件は必ず各社公式サイトでご確認のうえ、ご自身の判断で比較・選択してください。