Apple(AAPL)の株価上昇は業績か期待か|決算Divergence分析 FY26 Q2
Apple(AAPL)の株価は約3.8年で約1.86倍。これを「業績(1株利益)」と「期待(株価収益率)」に分解すると、業績 48% / 期待 52% でした。Apple の株価はこの約3.8年で約1.86倍。その内訳は業績(EPS) 48% / 期待(PER) 52% とほぼ半々です。注目は、売上がほぼ横ばい(CAGR+4.1%)なのにEPSは1.35倍に伸びている点で、これは自社株買いの効果が大きいことを示します。
1. 直近決算サマリー(2026Q2)
| 指標 | 直近四半期 |
|---|---|
| 売上高 | $111,184M |
| 純利益 | $29,578M |
| EPS | $2.01 |
| 営業利益率 | 32% |
| PER (TTM) | 30.4× |
| PSR (TTM) | 8.3× |
| ROE (TTM) | 142% |
最新の四半期(2026Q2)の実績です。インタラクティブな時系列は AAPL の銘柄ページ や ファンダ ビューア で確認できます。
2. 値動きの分解:株価CAGR vs 売上CAGR
| 指標 | 約3.8年・年率 |
|---|---|
| 株価CAGR | +17.9% |
| 売上CAGR | +4.1% |
| 乖離スコア(株価−売上) | +13.8pt |
乖離スコアは株価と売上の年率成長の差です。プラスは「株価が売上より速い」状態。ただしこれだけでは業績主導か期待主導か分かりません。そこで次に利益で分解します(→ 乖離スコアの読み方)。
3. 乖離の分解:業績(EPS) vs 期待(PER)
株価 = EPS × PER という恒等式を使うと、株価の倍率を「業績(EPS)」と「期待(PER)」の積に分解できます。
| 2022Q3 → 2026Q2 | 倍率 |
|---|---|
| 株価 | 1.86倍 |
| = EPS(業績) | 1.35倍 |
| × PER(期待) | 1.38倍 |
| 上昇の内訳 | 寄与 |
|---|---|
| 業績(EPS) | 48% |
| 期待(PER) | 52% |
参考: 基準 2022Q3 は 株価$136.72・PER22.1×・EPS$6.19、直近 2026Q2 は 株価$253.79・PER30.4×・EPS$8.35。
4. 読み(AAPL の現在地)
乖離+13.8ptは「売上はあまり伸びていないのに株価は上がっている」ことを意味します。その源泉は①自社株買いによるEPS押し上げ(ROE142%は自己資本が縮小している影響が大きい)と②PERの上昇(22倍→30倍)の両方。実需の成長というより、株主還元とマルチプル上昇が主役の上昇と読めます。
主なリスク・注意点
- 売上成長率が低く(一桁前半)、EPSの伸びを自社株買いに依存
- PERは過去比で高め(22倍→30倍)
- ROE142%は自己資本縮小の影響が大きく、見かけほど資本効率が改善したとは限らない
5. 出典・方法・注意
- ファンダ: SEC EDGAR companyfacts(10-K / 10-Q)。四半期化(YTD→単四半期)・株式分割調整・TTM集計を実施。
- 株価・PER: 各四半期末の終値ベース。分割調整済み。EPS(TTM)は終値÷PERで整合。
- 分解は 株価倍率 = EPS倍率 × PER倍率 の恒等式(対数寄与)で算出。基準期は十分なデータがある最初の四半期を採用。
- 会計上の利益は一過性要因を含み、基準期の取り方で数値は変わります。本稿は情報提供・教育目的であり投資助言ではありません。
よくある質問
Appleは業績で上がったのですか、期待で上がったのですか?
ほぼ半々です。株価1.86倍のうち、EPS増加(業績)が約48%、PER上昇(期待)が約52%を占めます。ただしEPSの伸びは売上の伸び(+4%程度)を大きく上回っており、その差は主に自社株買いによるものです。
ROEが142%もあるのは超優良企業だからですか?
高収益なのは事実ですが、ROEが極端に高いのは継続的な自社株買いで自己資本(分母)が大きく縮小しているためでもあります。ROEは財務レバレッジや自社株買いで膨らむため、自己資本比率と併せて見るのが安全です。
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