Broadcom(AVGO)決算Divergence分析|好決算でも−15%の理由(FY26 Q2)
決算を出した銘柄について「株価上昇の何%が業績(EPS)で、何%が期待(PER=マルチプル拡大)か」を、SEC EDGAR の実数から分解します。Broadcom(AVGO) のFY26 Q2を題材に。
1. 直近決算サマリー(FY26 Q2(四半期末 2026-05-03 / 8-K 2026-06-03・10-Q提出 2026-06-09))
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 売上高 | $22,187M(YoY +48%)/ うちAI半導体 $10.8B(+143%) |
| 粗利率 / 営業利益率 | 69.5% / 48.6% |
| EPS(GAAP) | $1.91(非GAAP $2.44、予想 $2.32 → +5%超え) |
| ガイダンス(Q3) | 売上 約$29.4B(+84%)。FY26 AI半導体 $56B / FY27 AI $100B超を「据え置き」 |
| 決算後の株価反応 | −約15%(好決算だが、AI目標を引き上げなかった失望) |
2. CAGR比較(過去5年)
| 指標 | 5年前 | 直近 | CAGR |
|---|---|---|---|
| 売上(単四半期) | $6,610M | $22,187M | +27.4%/年 |
| EPS(GAAP・分割調整) | $0.33 | $1.91 | +42.1%/年 |
| 株価 | $46.82 | $365.02 | +50.8%/年 |
3. 乖離の分解(業績 vs 期待)
目安: 株価CAGR ≈ EPS CAGR + PER変化CAGR。差分がマルチプル(期待)の寄与。株価 +50.8%/年 ≈ EPS +42.1%/年 + PER変化 +6.1%/年。EPSが主因だが、PERも5年で約2倍(~35→68倍)に拡大=「期待」の寄与が約2割ある。
| 倍率 | 5年前 | 直近 | 評価 |
|---|---|---|---|
| PER(TTM) | ~35× | 68.4× | 約2倍に拡大 |
| PSR(TTM) | — | 26.6× | 高水準 |
| 営業利益率 | — | 48.6% | 高収益 |
4. 読み
AVGOの5年の上昇(+50.8%/年)は業績(EPS+42%/年)が主だが、MUと違いPERが約2倍に拡大しており「期待(マルチプル)」の寄与が約2割ある。PER 68倍という水準は、AI半導体の高成長が続く前提を織り込んでいる。
だからこそ今回のQ2は象徴的だ。売上+48%・AI+143%・予想超えという客観的には好決算でも、CEOがFY27のAI売上目標$100Bを"引き上げなかった"だけで株価は−15%。これは「実績の良し悪し」ではなく「高くなった期待に対してどうか」で株価が動く、まさにDivergence(乖離)の好例。業績は強いが、株価はすでにかなりの期待を前借りしている状態。
出典・方法
SEC 8-K(FY26 Q2) / SEC EDGAR companyfacts / 報道: StockTitan・CNBC数値の一次情報はSEC EDGAR(10-Q/8-K、提出日つき)と kabu(SEC+Yahoo、四半期化・分割調整)。決算反応・コンセンサス・ガイダンスは報道。CAGRの始点/終点を明記し恒等式で検算済み。これは情報提供・教育目的であり投資助言ではありません。数値は2026年6月時点。→ Broadcom(AVGO) のファンダを kabu ビューアで見る
よくある質問
Broadcomの株価上昇は業績で説明できますか?
本文「3. 乖離の分解」の通り、株価CAGRをEPS CAGRとPER変化に分解しています。EPSで説明できる部分が「業績」、PER拡大が「期待(マルチプル)」の寄与です。割安・割高の断定ではありません。
この数値の出典は?
売上・利益・EPS・株数は SEC EDGAR(companyfacts / 10-Q・8-K、提出日つき)と kabu。決算反応・コンセンサス予想・ガイダンスは報道。CAGRは取得した実数から計算し、始点・終点を本文に明記しています。
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