NVIDIA(NVDA)の株価上昇は業績か期待か|決算Divergence分析 FY27 Q1
NVIDIA(NVDA)の株価は約4年で約10.76倍。これを「業績(1株利益)」と「期待(株価収益率)」に分解すると、業績 120% / 期待 −20% でした。NVIDIA の株価はこの約4年で約10.8倍になりましたが、その上昇はほぼ全て業績(EPS)の増加で説明できます。むしろ株価収益率(PER)は 49倍→30倍へ低下しており、「期待バブル」というより業績が期待を追い越した局面です。
1. 直近決算サマリー(2027Q1)
| 指標 | 直近四半期 |
|---|---|
| 売上高 | $81,615M |
| 純利益 | $58,321M |
| EPS | $2.39 |
| 営業利益率 | 66% |
| PER (TTM) | 30.3× |
| PSR (TTM) | 19.1× |
| ROE (TTM) | 114% |
最新の四半期(2027Q1)の実績です。インタラクティブな時系列は NVDA の銘柄ページ や ファンダ ビューア で確認できます。
2. 値動きの分解:株価CAGR vs 売上CAGR
| 指標 | 約4年・年率 |
|---|---|
| 株価CAGR | +81.5% |
| 売上CAGR | +71.5% |
| 乖離スコア(株価−売上) | +10.0pt |
乖離スコアは株価と売上の年率成長の差です。プラスは「株価が売上より速い」状態。ただしこれだけでは業績主導か期待主導か分かりません。そこで次に利益で分解します(→ 乖離スコアの読み方)。
3. 乖離の分解:業績(EPS) vs 期待(PER)
株価 = EPS × PER という恒等式を使うと、株価の倍率を「業績(EPS)」と「期待(PER)」の積に分解できます。
| 2023Q1 → 2027Q1 | 倍率 |
|---|---|
| 株価 | 10.76倍 |
| = EPS(業績) | 17.40倍 |
| × PER(期待) | 0.62倍 |
| 上昇の内訳 | 寄与 |
|---|---|
| 業績(EPS) | 120% |
| 期待(PER) | −20% |
参考: 基準 2023Q1 は 株価$18.55・PER49.0×・EPS$0.38、直近 2027Q1 は 株価$199.57・PER30.3×・EPS$6.59。
4. 読み(NVDA の現在地)
TTM EPS が約17倍に増えた一方、PERはむしろ縮小しました。つまり株価上昇の源泉はマルチプル(期待)ではなく実利益です。売上CAGR(+71.5%)よりEPSがさらに速いのは、営業利益率の拡大(直近 営業利益率66%・ROE114%)を伴ったためで、乖離+10ptはこの「利益率改善」が主因です。
主なリスク・注意点
- 利益率・ROEが歴史的高水準で、これが続く前提が株価に入っている
- 特定の顧客・データセンター投資への集中
- PSRは依然19倍と高く、需要が鈍れば調整余地は大きい
5. 出典・方法・注意
- ファンダ: SEC EDGAR companyfacts(10-K / 10-Q)。四半期化(YTD→単四半期)・株式分割調整・TTM集計を実施。
- 株価・PER: 各四半期末の終値ベース。分割調整済み。EPS(TTM)は終値÷PERで整合。
- 分解は 株価倍率 = EPS倍率 × PER倍率 の恒等式(対数寄与)で算出。基準期は十分なデータがある最初の四半期を採用。
- 会計上の利益は一過性要因を含み、基準期の取り方で数値は変わります。本稿は情報提供・教育目的であり投資助言ではありません。
よくある質問
NVIDIAの株価上昇はバブルですか?
この4年に限れば、株価上昇のほぼ全ては業績(EPS)の増加で説明でき、PER(株価収益率)はむしろ低下しています。少なくとも「期待だけが先行した」局面ではありません。ただしPSRは高水準で、将来の高成長・高利益率の持続を前提にしている点には注意が必要です。
なぜ乖離スコアがプラスなのですか?
株価CAGR(+81.5%)が売上CAGR(+71.5%)を約10pt上回るためです。これは営業利益率の拡大でEPSが売上より速く伸びたことが主因で、PER上昇によるものではありません。
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