AMD決算Divergence分析|上昇の主因は"期待"の方(Q1 2026)
決算を出した銘柄について「株価上昇の何%が業績(EPS)で、何%が期待(PER=マルチプル拡大)か」を、SEC EDGAR の実数から分解します。AMD(AMD) のQ1 2026を題材に。
1. 直近決算サマリー(Q1 2026(四半期末 2026-03-28 / 10-Q提出 2026-05-06))
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 売上高 | $10,253M(YoY +38%) |
| 粗利率 / 営業利益率 | 52.8% / 14.4%(非GAAP粗利率 ~55%) |
| EPS(GAAP) | $0.84(非GAAP $1.37、予想 $1.25 → +10%超え) |
| ガイダンス | 通期見通しを上方修正(データセンター/サーバーCPU TAM拡大) |
| 決算後の株価反応 | +約18%(急騰) |
2. CAGR比較(過去5年)
| 指標 | 5年前 | 直近 | CAGR |
|---|---|---|---|
| 売上(単四半期) | $3,445M | $10,253M | +24.4%/年 |
| EPS(GAAP) | $0.45 | $0.84 | +13.3%/年 |
| 株価 | $94.70 | $526.47 | +40.9%/年 |
3. 乖離の分解(業績 vs 期待)
目安: 株価CAGR ≈ EPS CAGR + PER変化CAGR。差分がマルチプル(期待)の寄与。株価 +40.9%/年 ≈ EPS +13.3%/年 + PER変化 +24.4%/年。検算: EPS比1.87 × PER比 = 株価比5.56(一致)。上昇の主因はEPSではなくマルチプル(期待)の拡大。
| 倍率 | 5年前 | 直近 | 評価 |
|---|---|---|---|
| PER(TTM) | 低め | 65.8× | 大きく拡大 |
| PSR(TTM) | — | 8.8× | 拡大 |
| 営業利益率 | — | 14.4% | まだ低い |
4. 読み
AMDは3社の中で最も「期待先行」の色が濃い。過去5年の株価+40.9%/年のうち、EPS成長(+13.3%)で説明できるのは一部で、残りはPERの拡大(+24%/年)=マルチプル(期待)が押し上げた。EPSの伸びが鈍いのはXilinx買収による株数増(希薄化)と、営業利益率が14%とまだ低いこと。
今回のQ1(売上+38%・EPS予想+10%超え・ガイダンス上方→株価+18%)は強い決算で、AIデータセンターへの期待をさらに補強した。ただし株価はPER 66倍と高く、業績の実績よりも将来期待に大きく依存している。期待が続けば正当化されるが、AVGOの−15%が示すように「高い期待」は外れたときの下落も大きい。MU(業績100%)・AVGO(業績主導+期待2割)・AMD(期待主導)という3者の対比が分かりやすい。
出典・方法
SEC 8-K(Q1 2026) / SEC EDGAR companyfacts / 報道: Quartz数値の一次情報はSEC EDGAR(10-Q/8-K、提出日つき)と kabu(SEC+Yahoo、四半期化・分割調整)。決算反応・コンセンサス・ガイダンスは報道。CAGRの始点/終点を明記し恒等式で検算済み。これは情報提供・教育目的であり投資助言ではありません。数値は2026年6月時点。→ AMD(AMD) のファンダを kabu ビューアで見る
よくある質問
AMDの株価上昇は業績で説明できますか?
本文「3. 乖離の分解」の通り、株価CAGRをEPS CAGRとPER変化に分解しています。EPSで説明できる部分が「業績」、PER拡大が「期待(マルチプル)」の寄与です。割安・割高の断定ではありません。
この数値の出典は?
売上・利益・EPS・株数は SEC EDGAR(companyfacts / 10-Q・8-K、提出日つき)と kabu。決算反応・コンセンサス予想・ガイダンスは報道。CAGRは取得した実数から計算し、始点・終点を本文に明記しています。
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