ホームガイド › Teradyne(TER)の技術的優位性 — AI半導体の「検査」で稼ぐテスト装置大手の実力
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Teradyne(TER)とは何の会社?半導体テスト装置の強みと弱み・リスク — AIチップ・HBMのテスト需要で売上2倍になった理由を解説

半導体は作って終わりではなく、1個ずつ「ちゃんと動くか」を検査してから出荷されます。このテスト装置(ATE)の世界大手が Teradyne(ティッカー: TER)です。AI チップが巨大化・高価格化し、HBM のように積層後の不良が許されない製品が増えたことで、2026年には四半期売上が前年比2倍に達しました。「装置株」の中でも地味な検査の会社が、なぜ AI の主役級に扱われるのかを整理します。

会社概要 — Teradyneは何をつくる会社か

Teradyne は1960年創業の米マサチューセッツ州の企業で、事業は大きく3つです。

  • 半導体テスト(売上の約8割)— ロジック(CPU・GPU・AI アクセラレータ)、メモリ(DRAM・HBM・NAND)、アナログ・車載向けの自動テスト装置。2026年第2四半期は 11 億ドル超で前年比 +128%。
  • システムテスト・ワイヤレステスト — ストレージ装置や無線機器の検査。
  • ロボティクス — 協働ロボットの Universal Robots と自律搬送ロボットの MiR を傘下に持ち、四半期売上 1 億ドル規模で成長中。
顧客は半導体メーカーと、製造・検査を請け負う OSAT(後工程受託)です。売上の約7割が AI 関連需要に結びついていると会社は説明しています(半導体製造装置株)。

半導体テストとは何か — 「検査」がAIで重要になった理由

テスト装置は、ウェハー上のチップや完成品に信号を入力し、応答を測って良品・不良品を選別します。AI チップでこの工程の重みが増した理由は3つあります。

  • チップが高価で大きい — 1個数万ドルの AI アクセラレータは、不良を後工程まで持ち込むコストが桁違いに大きく、テストに時間と装置を惜しまなくなりました。
  • HBM は積層後にやり直せない — DRAM を 12〜16 段積んだ HBM は、1段でも不良があれば全体が廃棄になります。積層前後のテストが増え、メモリテストの売上は3四半期連続で過去最高となりました(HBM3EとHBM4の違い)。
  • 先端パッケージング — 複数チップを1パッケージに組む(チップレット)と、組む前の「既知良品」の保証が必須になり、テストの回数が増えます。
つまり AI の性能競争が激しいほど、「検査」の需要は構造的に増える関係にあります。

なぜ強いのか — moatの核心は「2社寡占」と「装置の切り替えコスト」

  • Advantest との2社寡占 — 大規模なロジック・メモリのテスト装置は、Teradyne と Advantest(日本)でほぼ市場を分け合っています。装置には顧客がテストプログラムを何年もかけて作り込むため、他社の装置に乗り換えるコストが非常に高いのが特徴です。
  • AI アクセラレータでのシェア — 主要な AI チップ設計会社やカスタムチップ(XPU)のテストで採用を広げており、コンピュート向けの売上は前年比で数倍に伸びました。
  • メモリテストの広がり — HBM・DRAM に加え、NAND の最終テストも回復し、メモリ全体が記録的な水準です。
  • ロボティクスという第2の柱 — 半導体の循環と相関の低い事業を持つことで、業績の振れをいくらか和らげます。

弱点とリスク — 装置株の宿命

  • 景気循環(設備投資の波) — テスト装置は顧客の設備投資で需要が決まり、半導体の在庫調整期には売上が急減します。2023年には AI 以外の需要減で減収を経験しました(シクリカル)。
  • 顧客集中 — AI アクセラレータの大口顧客や、その製造を担う TSMC・OSAT への依存度が高く、特定顧客の投資判断で四半期業績が大きく振れます。
  • Advantest との競争 — 特に AI ロジックと HBM のテストでは Advantest が強く、シェア争いが利益率に影響します。
  • 「2倍成長」の反動 — 前年比 +100% の後は、翌年の比較対象が厳しくなります。成長率の鈍化そのものが株価の調整要因になり得ます。
  • ロボティクスの伸び悩み — 協働ロボット市場は競争が激しく、成長率が半導体テストに見劣りする局面もあります。

数字で見る — kabuの実データから

2026年9月時点の kabu データ(SEC EDGAR+株価から算出。最新は銘柄ページで確認)では、直近四半期の売上は前年比 約2倍、営業利益率は 30% 台前半、粗利率は約 60% と装置株として高水準です。PER(TTM)は約 65 倍で過去中央値(約 37 倍)を大きく上回り、PSR は約 17 倍。株価と売上の乖離は同セクター内でやや高めで、AI テスト需要が数年続くことを前提にした倍率と読めます。判定ページで最新の PER・PSR レンジを確認してください。

投資の視点 — 何を見て判断するか

  • 受注残と book-to-bill — 受注÷売上が1を上回っているかは、翌四半期以降の需要の先行指標です(2026年半ばは2倍超と説明)。
  • コンピュート/メモリの内訳 — AI アクセラレータ向けと HBM 向けがそれぞれ伸びているか。片方に偏ると顧客集中リスクが高まります。
  • 粗利率 — 高付加価値のテスト装置でどこまで利益率を守れるか。
  • Advantest の決算 — 同じ需要を分け合う競合の数字は、シェアの動きを読む手がかりになります。

競合比較 — テスト装置と「装置株」の中での位置

工程企業関わり方
テスト装置(ATE)Teradyne(TER)・Advantest(日本)2社寡占。AI ロジックと HBM のテストで競合
ウェハーレベルのバーンイン試験Aehr Test(AEHR)SiC・AI 向けの長時間試験(解説
検査・計測(工程内)KLA(KLAC)製造中のウェハー検査。テストとは別工程
前工程装置Applied Materials(AMAT)Lam Research(LRCX)成膜・エッチング。需要の源は同じだが工程が違う

装置株の中で Teradyne は「最終工程」に位置し、チップの数と複雑さがそのまま需要になります。前工程装置がウェハーの枚数で決まるのに対し、テストはチップ1個あたりの検査時間で決まる点が違います。

よくある質問

Teradyne はどんな会社ですか?
半導体の自動テスト装置(ATE)の世界大手です。AI アクセラレータや HBM などのチップを出荷前に検査する装置を、半導体メーカーと後工程受託(OSAT)に販売しています。協働ロボットの Universal Robots も傘下です。
なぜ AI で Teradyne の売上が2倍になったのですか?
AI チップは高価で大きく、HBM は積層後にやり直せないため、テストにかける時間と装置が増えたからです。2026年第2四半期は半導体テストの売上が前年比 +128%、メモリテストは3四半期連続で過去最高でした。
Teradyne の競合はどこですか?
日本の Advantest との2社寡占です。特に AI ロジックと HBM のテストでシェアを争っています。工程は違いますが、KLA(検査)や Applied Materials・Lam Research(前工程)も同じ AI 投資の恩恵を受ける装置株です。
Teradyne の最大のリスクは何ですか?
装置株特有の景気循環です。顧客の設備投資が止まると売上が急減し、2023年には減収を経験しました。前年比2倍という成長の後は比較対象が厳しくなり、成長率の鈍化が株価の調整要因になり得ます。

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出典: ファンダは SEC EDGAR(10-K / 10-Q)、株価は Yahoo Finance。本記事は情報提供・教育目的であり、投資助言ではありません。データに誤りを含む場合があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。 データの作り方 · 運営者情報