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「利上げ観測が後退」とは? 雇用統計と CPI で揺れる10月の利上げ確率|今後の注目イベント【2026年10月】

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2026年10月2日の米雇用統計で、9月の雇用者数の増加は 2.9万人 と予想を大きく下回りました。これを受けて、FRB が 10月の会合で続けて利上げするという見方が弱まり、ニュースでは「利上げ観測が後退」と伝えられています。ただし FRB は9月に利上げしたばかりで、12月の利上げは引き続き高い確率で見込まれ、長期金利は上がっています。その後、10月14日の CPI(消費者物価)が予想を上回り、10月の利上げ観測は一時的に強まりました。一次情報(労働統計局・FRB・財務省)の数字で整理し、今後の注目イベントを日本時間でまとめます(10月18日更新)。

何が起きたか — 3行で

内容
きっかけ10月2日の米雇用統計(9月分)で、雇用者数の増加が 2.9万人 と予想を大きく下回った
市場の見方10月27〜28日の FOMC で利上げする確率が、1週間前の約36%から 17% に下がった(CME FedWatch、10月2日時点の報道)
変わっていないこと12月の利上げは引き続き高い確率で見込まれ、長期金利(10年債)は 5.31% まで上がった(10月5日)

「利上げ観測が後退」は、「次の会合ですぐ上げる」という見方が弱まったという意味で、利上げの局面が終わったという意味ではありません。FRB は9月に、2023年以来となる利上げをしたばかりです。

10月18日更新:9月の CPI で、10月の利上げ観測が一時強まった

項目9月分ひとこと
消費者物価(総合)前月比 +0.6%・前年比 +3.7%8月の前年比 +3.4% から上昇。前年比の予想は +3.6% と報じられていた
コア(食品・エネルギーを除く)前月比 +0.3%・前年比 +2.6%予想(前月比 +0.2%)をやや上回ったと報じられた
ガソリン前月比 +9.1%・前年比 +34.2%エネルギー全体は前年比 +20.4%。総合の上昇の大きな部分を占めた
住居費前月比 +0.4%・前年比 +3.2%

出典: 米労働統計局(BLS)CPI — September 2026(2026年10月14日公表)。予想は報道による。

報道によると、金利先物から計算した10月の利上げ確率(CME FedWatch)は、CPI の発表前の2割強から、発表当日の昼に約4割まで上がり、その後は3割前後に戻ったと伝えられています。12月の利上げは9割前後と見られています。数字は時間帯や情報源によって差があり、毎日変わります。

一方で長期金利は、CPI のあと下がりました。10年債の利回りは10月5日の5.31%から、10月16日には5.09%になっています(下の表)。総合の物価はガソリンで大きく上がった一方、コアの上がり方はそれより小さかったことも、受け止めの材料として挙げられています。

きっかけ:9月の雇用統計(10月2日発表)

項目9月分ひとこと
非農業部門の雇用者数+2.9万人市場予想は8万〜9万人台と報じられていた
失業率4.2%8月の4.1%から上昇
7月・8月分の修正合計 −6万人7月は +2.1万人 → −1.0万人、8月は +16.2万人 → +13.3万人
平均時給前月比 +0.1%・前年比 +3.0%賃金の伸びも落ち着いた
労働参加率61.8%ほぼ横ばい

出典: 米労働統計局(BLS)Employment Situation — September 2026。市場予想は報道(CNBC など)による。

過去分の下方修正で、7月は雇用者数がマイナスだったことになりました。「雇用が再び引き締まっている」という見方には合わない内容と受け止められ、FRB が急いで追加の利上げをする理由が弱まった、という解説が多く出ています。雇用統計の項目の読み方は米国雇用統計の読み方へ。

前提:FRB は9月に利上げしていた

9月15〜16日の FOMC は、政策金利(フェデラルファンド金利)の誘導目標を0.25%引き上げて 3.75〜4.00% にしました。投票は12対0の全会一致です。声明は「インフレは高い水準にとどまっている」とし、今回の決定が「2%の目標へのより早い回帰を支える」と説明しました。

同時に出た参加者の見通し(中央値)では、2026年末の政策金利は 4.1%(6月時点は3.8%)。年内にもう1回の利上げを見込む形です。物価の見通しは PCE 3.7%・コアPCE 3.4%(2026年)でした。

出典: FRB 声明(2026年9月16日)。見通しの表と次回の日程は次回FOMCはいつ?にまとめています。

つまり今の論点は「いつ利下げするか」ではなく、「次の利上げを10月にするか、12月にするか、しないか」です。

市場の見方(10月2日時点):10月はほぼ据え置き、12月は利上げが多数

会合利上げの確率(報道)据え置きの確率
10月27〜28日約36%(9月下旬)→ 17%(10月2日)約8割
12月8〜9日75%超(10月上旬)—

CME FedWatch(金利先物から計算した確率)の数字は CNBC・24/7 Wall St. の報道から。予想市場の Kalshi・Polymarket でも、10月の利上げは約2割、据え置きは約8割となっています(10月6日時点)。確率は毎日変わります。

報道では、ゴールドマン・サックスのストラテジストが「10月の利上げの扉は事実上閉じた」としつつ、12月に追加で1回を基本シナリオとして残している、と伝えられています。「次の利上げが10月から12月にずれた」という受け止めが中心です。

長期金利の推移(財務省データ)

日付2年債10年債30年債
9月15日(FOMC 前日)4.67%5.00%5.36%
9月16日(利上げ当日)4.74%5.01%5.35%
9月30日4.88%5.29%5.64%
10月2日(雇用統計)4.83%5.28%5.63%
10月5日4.84%5.31%5.66%
10月14日(CPI)4.82%5.19%5.52%
10月16日4.74%5.09%5.43%

出典: 米財務省 Daily Treasury Par Yield Curve Rates(各日の利回り・財務省の CSV で確認)。訂正(10月18日):10月6日の公開時、この表の2年債すべてと、9月の10年債の数値に誤りがありました。財務省のデータで正しい値に直し、本文も合わせて直しました。

政策金利の見通しに近い2年債は、9月の利上げのあと9月末に4.88%まで上がり、雇用統計のあとは4.8%前後で推移しました。10年債は9月の利上げ(5.01%)から10月5日の5.31%まで約0.3%上がり、2002年以来の高い水準と報じられました。物価が高いまま続くことへの心配や、国債の発行が多いことが理由として挙げられています。その後、10月中旬には5.1%前後まで下がっています。

株価の値段の目安になる PER は、長期金利が高いと下がりやすいと説明されることが多い指標です。金利がどんな会社に効きやすいとされるかは金利と米国株で実データとともに整理しています。

今後の注目イベント(日本時間)

現地日付イベント日本時間見どころ
10月7日(水)9月 FOMC の議事要旨10/8(木)3:0012月の追加利上げについて、参加者がどこまで議論していたか
10月13〜15日大手銀行の決算各社の寄付前(日本時間の夜)貸し倒れの準備・消費の様子。ブラックロック・シティ・J&J(13日)、バンク・オブ・アメリカ(14日)など
10月14日(水)9月の CPI(消費者物価)10/14(水)21:30結果:総合は前年比 +3.7%、コアは +2.6%(上の更新を参照)
10月15日(木)9月の PPI(生産者物価)・小売売上高10/15(木)21:30物価の川上と、消費の強さ
10月20〜23日決算の山(Netflix・TI・Intel・IBM ほか)—半導体・AI 投資の先行指標
10月28日(水)FOMC の決定10/29(木)3:00(会見 3:30)据え置きなら、声明と会見で12月の利上げをどう語るか。経済見通しは出ない回
10月27〜30日大手テックの決算(Apple・Amazon・Tesla ほか)—AI 投資の金額と、金利が高い中での市場の反応
10月29日(木)7〜9月期の GDP 速報・9月の PCE 物価10/29(木)21:30FRB が重視する物価(PCE)は FOMC の翌日に出る
10月30日(金)7〜9月期の雇用コスト指数(ECI)10/30(金)21:30賃金の伸びの広い指標
11月1日(日)米国が冬時間に—これ以降、指標の発表は日本時間 22:30、FOMC は 4:00 になる
11月6日(金)10月の雇用統計11/6(金)22:309月の弱さが続くか、一時的か
11月10日(火)10月の CPI11/10(火)22:3012月会合の前の物価指標
12月4日(金)11月の雇用統計12/4(金)22:3012月会合の直前
12月8〜9日FOMC(経済見通しあり)12/10(木)4:00市場が利上げを見込んでいる会合。2027年の見通しも更新される

日程の出典: FRB FOMC 開催日・BLS 10月・BLS 11月・BEA の公表予定。議事要旨は会合の3週間後の慣例による予定日、小売売上高(米国勢調査局)と決算日は報道・各社の発表による。決算の全日程は2026年10月の米国株カレンダーと決算発表スケジュールで確認できます。

CPI の読み方は米国CPIの読み方、FOMC の仕組みはFOMCの読み方へ。この記事は、決定の予想や株価の方向は書きません。

よくある質問

「利上げ観測が後退」とはどういう意味ですか?
次の FOMC(2026年10月27〜28日)で FRB が利上げするという市場の見方が弱まった、という意味です。金利先物から計算した確率(CME FedWatch)では、10月の利上げは1週間前の約36%から17%に下がったと報じられています(10月2日)。利上げの局面が終わったという意味ではありません。
9月の CPI(10月14日発表)はどうでしたか?
総合は前月比+0.6%・前年比+3.7%で、8月の+3.4%から上がりました。ガソリンが前月比+9.1%と大きく上がったためです。食品とエネルギーを除くコアは前年比+2.6%でした(米労働統計局)。発表直後は10月の利上げの見方が一時強まったと報じられています。
きっかけは何ですか?
10月2日発表の米雇用統計(9月分)です。雇用者数の増加が2.9万人と予想(8万〜9万人台)を大きく下回り、失業率は4.2%に上がりました。7・8月分も合計6万人下方修正されました。
今の米国の政策金利はいくつですか?
3.75〜4.00%です。2026年9月16日の FOMC で0.25%引き上げられました(2023年以来の利上げ)。参加者の見通しの中央値では、2026年末は4.1%です。
長期金利はどう動いていますか?
10年債の利回りは、9月の利上げの日(9月16日)の5.01%から10月5日に5.31%まで上がり、2002年以来の高い水準と報じられました。その後、9月の CPI が出た10月中旬には5.1%前後まで下がっています(財務省のデータ)。政策金利の見通しに近い2年債は4.7〜4.9%で推移しています。
次に注目されるイベントは?
10月7日の9月 FOMC 議事要旨(日本時間8日3:00)、10月14日の9月CPI(日本時間21:30)、10月28日の FOMC の決定(日本時間29日3:00)です。FRB が重視する PCE 物価は FOMC の翌日の10月29日に出ます。12月8〜9日の FOMC は経済見通しも出る会合です。

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