S&Pグローバル(SPGI)とは何の会社?事業内容・売上の内訳・見るべき指標をやさしく解説
何をしている会社?
主な事業は5つです。格付け(企業や国が債券を発行するときの信用力の評価。Moody's と並ぶ2大格付け会社の一角)、マーケットインテリジェンス(金融機関向けの企業データ・分析プラットフォーム。旧 IHS Markit の事業を含む)、指数(S&P 500・ダウ平均などの指数を運営し、連動する ETF や先物からライセンス料を得る)、コモディティ・インサイト(原油などの価格評価「Platts」)、モビリティ(自動車業界向けデータ「CARFAX」など)。
どうやって稼いでいる?
格付けは債券の発行額に応じた手数料が中心で、企業の資金調達が活発な年に伸び、金利上昇などで発行が減ると落ち込みます。指数は連動する運用資産の残高に応じたライセンス料で、S&P 500 に連動する ETF の残高が増えるほど収入が増えます。データ事業はサブスクリプションで安定しています。いずれも追加コストが小さく、営業利益率は 40% 台後半と高水準です(下の「数字で見る」参照)。
競合と強み
格付けでは Moody's、Fitch。指数では MSCI、FTSE Russell、Nasdaq。データでは Bloomberg、FactSet、LSEG などが競合です。強みは、規制や慣行に組み込まれた地位にあります。債券の発行には主要格付け会社の格付けが事実上必要で、S&P 500 は世界で最も多くの資産が連動する指数です。こうした「参照される基準」は、新規参入者が置き換えるのが極めて難しい種類の堀(ワイドモート)とされます。
リスク・弱み
- 債券発行の波: 格付け収入は資本市場の活況に左右され、景気後退や金利急上昇の局面で減ります。
- 規制: 格付け会社は金融危機後に規制が強化された経緯があり、利益相反や手数料に関する規制強化はリスクです。
- 指数のライセンス料への圧力: 運用会社は手数料引き下げ競争の中で、指数ライセンス料の引き下げも求めています。
- 買収の統合: IHS Markit の大型買収でデータ事業が拡大した一方、のれん(Goodwill)が大きく、減損リスクを抱えます。
決算で見るべき指標
- 格付け部門の売上と債券発行額の動向: 最も変動が大きい部門です。
- 指数部門の連動資産残高(AUM): ETF への資金流入と株式市場の水準で決まります。
- 営業利益率: 高水準を維持できているか。買収関連の償却を除いた調整後の利益率も会社が示します。
- 自社株買いと配当: 長期にわたる増配で知られ、配当貴族の一角です。
数字で見るS&Pグローバル(kabu の実データ)
| 指標(直近四半期 2026Q1) | 値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | $4.2B | +10% |
| 純利益 | $1.4B | +28% |
| 粗利率 | 70.4% | — |
| 営業利益率 | 48.0% | — |
| フリーキャッシュフロー | $1.0B | — |
| PER(TTM) | 26.7× | 過去中央値 39.4× |
| PSR(TTM) | 8.1× | 過去中央値 10.4× |
| 時価総額 | $128B | — |
事業別の売上(2026Q1・SEC 開示の注記から)
| 事業 | 売上高 | 構成比 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| マーケットインテリジェンス | $1.3B | 31% | +8% |
| 格付け | $1.3B | 30% | +14% |
| エネルギー | $652M | 16% | +7% |
| 指数 | $516M | 12% | +17% |
| モビリティ | $454M | 11% | +8% |
直近8四半期で売上高は $3.5B → $4.2B(+18%)。出典は SEC EDGAR の 10-K/10-Q(GAAP)で、会社が強調する非GAAP の数字とは差があります。四半期ごとの推移と株価との乖離は S&Pグローバルの銘柄ページ、PER・PSR の過去レンジとの比較は 割高?割安?判定 で確認できます。